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劣後順位(やらないことを決める)

仕事を進める上では、何をやるかよりも何をやらないかを決めることが重要です。

優先順位というは、重要度と作業手順に従って、タスクを行うべき順序を決定することです。一方で劣後順位は、やらないことを決めることです。


この優先順位と劣後順位を比較すると、劣後順位の方が全体の作業を進める上で、効率性にインパクトが大きいと感じませんか?

そして、出来るだけ無駄な作業をしないということは限られた期間で成果をあげなくてはいけないプロジェクトにおいてはとても重要なことです。

極論をすると、無駄に一生懸命、手を動かして作業するよりも、ボーっとしているように見えても、今現在必要なことは何か、何をやめるべきかを頭の中で考える方がより生産性が高いということもあります。

このように劣後順位は大切なのですが、どのように劣後順位を決めていけばよいでしょうか?

次のような状況を考えてみましょう。半日程度時間をかけて作業をして、資料を作ってみたものの「うーん、それ今は必要ないよね…」と上司に言われてしまいました。

こういう、しなくても良いことを無駄にしてしまう原因は大きく3つあります。

@上司、クライアントとコミュニケーションがうまく出来ていない場合
A指示を受けたときと状況が変わっており、現時点ではその作業が必要なくなっている場合
B指示通りに行っているが、手間をかけ過ぎている場合


@の場合には、コミュニケーションをしっかりとるように心がける必要がありますが、劣後順位とはあまり関連がありません。

劣後順位を考える必要があるのは、AとBのケースです。

Aのケースは、クライアント(お客様)からの要望により、今までの作業方針をガラッと変えなくてはならないような時に発生します。

プロジェクトは生き物ですので、優秀なプロジェクトマネージャーといっても、全てのタスクを完璧に管理することはできません。

ですから、クライアントとのミーティング前までは重要なタスクでしたが、ミーティング後に必要なくなると言うことがままあります。

そのようなときには、上司からの指示を待つまでもなく、今行っている仕事が本当に必要なのかを上司にプロアクティブに確認するようにしてみてください。

なぜなら、タスクの進め方に変更があった場合に、上司もプロジェクトメンバーの詳細なタスクの変更の指示を出すまでに時間がかかることがあります。

ですから、メンバーからタスクの要否をプロアクティブに聞かれることはありがたいはずです。

また、Bのケースは、例えば、資料を丁寧に作り過ぎてしまうような場合に当たります。QCDのQ(品質)を高くしようと資料づくりにこってしまい、仕事に時間がかかってしまうようなケースです。

ラフなドラフトを作って、それを元にディスカッションを進めることを上司は意図していたかもしれません。

それに対して、パワーポイントで綺麗に資料を作って出すことは無駄な作業になってしまうのです。

以上を纏めますと日常の仕事を進める上で、考えなくてはならない劣後順位とは、以下の2点になります。

■プロジェクトの全体状況における劣後順位
クライアントとのミーティングの前後などで、タスクの進め方の方針が変わったときに、自分に割り当てられている仕事が、今現在、必要なのかを考える。疑わしい場合には上司に確認をして、そのタスクを実施しないという決断をする。

■QCDの観点からの劣後順位
QCDの観点から、今現在求められているのは、Q(品質)とD(納期)の中でどちらを優先するべきなのか。D(納期)が何よりも大切な状況では、自分のタスクで何を切り捨てるべきなのかを決断する。

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